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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

ダンサーと怪我――膝痛・足首編 

 身体を酷使するダンサーにとって、常に故障は付きものだ。怪我での降板ほど悔しいものはないだろうし、そこで無理をすれば自身のダンサー生命にもかかわる。ギエムも言っているように、そもそもバレエやダンスは自然な身体ムーブメントに完全に反した動きだから、たいていのバレリーナ・ダンサーは25歳までに何らかの故障を経験する。あとはいかに痛みを軽減させるか、長く踊りつづけられる身体を維持するか、という自己との闘いになってくるわけだ。

 私の今のダンス教師Jの膝の様子は、たぶんダンスをしていない普通の人間がちょっとみただけでは分からない。本人も言わない。でもわかる。あれはたぶん過去に(そう遠くない)手術を経験した、それぐらいのレベルだ。半月板か、靱帯か――自身のダンサー生命を考えもしただろうし、生徒が離れていったりもしたろう。「Jはね、昔はすごかったんだよ、昔は――」と私に言って口をつぐんだ、あるクラスの生徒がいた。

 ダンスというのは、そう考えると沢山の「痛み」からできているとも言える。教師は孤独だ。生徒は皆、教師にじぶんだけが癒されたいと考えやってくる。moi,moi,moi(私が、私が)の世界だ。誰が、彼の孤独やつらさをこれまで抱きしめてやったことがあったろうかと思ったら、こちらが涙が出そうになる。でもそれが、彼が選んだプロの世界なんだろう。私はこう思うことにしている。振付をしているということ、すなわち「この世にゼロからモノを創り誰かに与えている」ということで、彼自身は進んでいるのだと。決して手つかずの痛みではなく、彼はまた彼自身をも癒しているのだと。だから、彼が振付を続けている限りは、大丈夫。

 このテーマで書き出したのは、この2週間ほど、実は私も足首と膝に嫌な予感を抱えているから。どうもなおらない。それが土曜に椅子を使った振りをやった時、完全に「うっ、これはギャグじゃなくやばい」と来た。パリの夏の寒さのせいもあるのかもしれない。7月に入ってからずっと口内炎ができている。ビタミンB群が不足している。こんなの大人になってから初めてだ。右が消えると左にできて、左が消えると新たに右に。全然治らない。こういう小さいことが、結構集中力を奪う。ネットで調べても「疲労や睡眠不足からきますのでお大事に」としか書かれてないし、そんなこと、いちいち調べんでもわかりきってるがな(笑)

 膝、足首は激しいダンスのせいかとずっと思っていた。でも、考えたら普段歩いているスニーカーに問題があったのかも。つまり、パリの石畳の道は硬くて、重いダンスバッグを背負ってスタジオまで一時間、3回の電車乗り換えを、ひいこら階段昇り降りしたりしている。シャトレなんて10分は乗り換えで歩いているぞ。フリクションがまったくない、日本から買ってきたスニーカーだから、衝撃がダイレクトに足首に⇒膝に来ている気がする。これ、放置しておけば確実に次は腰だろう。今週はヤニスの4レッスンも控えているわけだし、なんとか乗り切らねば。着るものは我慢できる、でも靴は少々投資しないと、身体を守るためにもまずい。ソルド(セール)が終わらないうちに、かけ込めるといいんだけれど。

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 今日は7月14日、フランスの革命記念日(祝日)でどこもかしこもお休み、パレードだらけです。全てのダンススタジオはフェルメ(お休み)。そんな事だろうと思って、20時から、シャトレ劇場でサンフランシスコバレエのチケットを2か月前に買っておいた。ヤンヤンタンが観たかったけれど、今日の演目はアダン等らしく、たぶん出てこないでしょう。また帰宅後、記事Up!