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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

コンテ恐怖症!? Cendrillon - Cie La Feuille d'Automne(コンテ『サンドリヨン』~シンデレラ)

 一週間、お尻の骨の痛みから始まって、骨盤~腰全体、背骨、大腿骨両脇(特に右)、膝の外側と内側、左肘、両肩の骨の出ている部分、、が悪化した。先月悪くして、シューズにインソールを入れ小康状態を保っていた両足首までもが悲鳴。起き上がることすらできない。三浦綾子さんの気持ちで『塩狩峠』でも執筆出来たら――とわが凡才を呪うけれど、ブログすらまともに向かえないぐらいそもそも「椅子に座ることができない」状態。ベッドに張り付いたまま天井を見上げ、ああ、降りしきる10月の入り口のようなパリを窓越しに見ながら「最後の一葉数えてたヤツの気持ちが分かるが、あたしにそんな時が来たらむしって食ってやる」とのたまった文学上の最強性格悪い主人公は??などとくだらない自己Q&Aを作っては時間が過ぎてゆく。ちなみにこれは仏語版訳され(世界各国で)FNACにも売っているあの作家の超代表作だ。夏に読もう。その少女の名前がそのままタイトルだから、世界どこへ行っても通じる。

 こうしてのたうちまわって、貴重な夏の一日が終わる。入院状態と変わらず朝から何も食べていない(現在パリ23時)。客死まぢかか・・・。

f:id:kotorio:20140809064038j:plain (こちらはバレエフォトグラファー:Maria-Helena Buckley さんの作品。Maria-Helena Buckley Photography - タイムライン | Facebook スペイン生まれ、シュトッゥトガルトバレエ団でダンサーのち、現在は舞踊専門のフリーフォトグラファー)

 少しは外に出て生きてることを自分の身体に証明させないと。誰もドアなんか叩かず年末までほうっておかれる。痛くても、部位を動かさないよりマシだと、土日のコンテンポランと同じ先生の金曜夜、Barre au sol (バー・オー・ソル)のクラスに出て、痛みと絶叫、悲鳴(もちろんココロの中で)とともに!ようやく!一週間かかってこの激痛の原因発覚。(実はダンス以外も色々考えていたのだ、靴とか、Gパンとか、骨のもっと深刻な病気かとかまで)

今日のバー・オーソル(床でやるコンテ・クラシックの基本の動き)は、まさに先週の土日のコンテレッスンで、私が痛めた個所だけを、なぞるように、ダイレクトに、容赦なく、刺激した。他の先生のコンテで、確かに床にお尻の骨とか打ち付けるような、あとは背骨回転系の振りは苦手だなあ、と思っていたけど、ここまでヒドくはなかった。たまたまこの先生のメソッドと、私の力量、骨格、筋力、実績がミスマッチして、症状を引き起こしたと考えられる。

30過ぎた大人が、涙がちょちょぎれ、思わず「ひいいいいいっ」と、声をあげてしまう。単純に、目尻に涙が浮かぶほど「痛い」。ダメージ作るのは一瞬で充分だが、完治は、3カ月コースだろうなあ。。。。背骨まで一気に痛みが走るとか、足全部のしびれとか、他の部位に影響しているってことは、単なる打撲とか捻挫じゃなく、思いっきり神経系を損傷しているわけだ。一昨日は熱まで出ていた模様。ファーマシー(薬局)で「処方箋なしで変える飲みグスリがあるから、一時的にこれで痛みを制御できるわよ」と薬剤師さんに教えてもらった。一番安いパックが5~6€だったけど、日本ですら薬が合わない私、フランスの薬なんざ成人規定量のんだ日には即倒(笑)。

 メトロの階段を「うぎゃあああ」と騒ぎながら上下し、寮に辿りついてこの時間。8月にはいると急に日が短くなり(畳の目ほどとうっかり書きそうだがここはフランス。しかし海外に日本の「tatami」を広めようという企業活動があるそうだ)真っ暗だ。既にタートルネックとセーターを着込み、ひとまず明日あさってのコンテは臨時休決め込むか。コンテって「その先生」の独自メソッドだから、一つ作品が踊れてもそれで「コンテがが踊れる」とはならない。身体を痛めつけるのではなく、いかに自分の身体と和解し、解放し、高度な表現を可能にするメソッドを探していくレッスンだから、単に中学生ばりの意地で身体を壊し続けてはまったく意味がない。

 先生のアドヴァイスとしては「腹筋」とのこと。女性の40代後半ぐらいのマッチョな先生だけれど、神々しく割れまくった腹を見せてくれ(ついでに背中も凄い)多少鍛えていると自負していた私、見事に打ち砕かれた。ジャズみたいに速い動きは意識しなくてもフツ―に腹筋が必要だし、鍛えるからほっといてもいいわけだけれど、よく考えたら、一見ふにょふにょ系、床寝転がり~お掃除ダンス~のコンテこそ、全部ハラの力で引き上げていないと、固い床はダイレクトにお尻の骨に直撃し、背骨に直撃し、肩の骨に直撃し「私コンテ嫌!」ということになるわけだな。なるほど。しかもスポーツジムの床である。バレエ床(衝撃吸収)とはわけが違う。バレエを長年やった人だと、立っただけで分かるけれど、固い固い。これならフツーに体育館とか、コンクリー上で踊ったほうが(それじゃ文字通りストリートダンスじゃん(笑))ましなぐらいに固い。

とりあえず、8月は浮気厳禁で、真面目に骨と筋を休め、痛みをせめて取り除く方向で集中してみるかと・・・まずいまずい。

レッスン前に「フナック」のダンス書籍コーナー(大型百貨店。本も音楽も家電も全部ある)でこちらの新刊本を立ち読みしてました。

「Cendrillon」Chorégraphie : Philippe Lafeuille もちろんプロコイエフの音楽、プティパ振付の「シンデレラ」。フランスの国立振付センターでコンテンポラリーとして振付され、地方バレエ団が踊ってきた。直近では2014年5月上演されたものがある。Un grand remue-ménage plastique et chorégraphique à développement durable. 「持続可能な開発への、大騒ぎなプラスチックダンス」!??訳しづらい観念。――フランスの新古典主義(ネオクラシック)の先頭に立って、というけれど、自分にはさすがにまだこ手のどたばたミックス、ストーリーテリングとファンタジーがないまぜになったコンテの今の境地を「フランスの現代バレエの最先端」と言えるだけの分析調査ができていないし、自分にも他人にも、言語で説得ができないでいる。制作過程を知るレバノンのローレンスというジャーナリストは肯定派なのだけれど。

 先月引退したニコラ・ル・リッシュや、つい数回前取り上げたギエムまでもが、お国のやること(つまり国立舞踊・振付センターの双方に対し)にいちいち目くじらを立てて、引退の新聞インタビューで文化大臣名指しで「この国のダンス芸術をヒドスギル方向にもっていきやがって」まで言っているぐらい。このあたりの現代事情、経緯も踏まえて、これから少し、冷静に観察して行きたいと思っているテーマ。

個人所感、この作品「サンドリヨン」に限って言えば。あるいは「コンテ」という種類のダンスに対しては、ひと目で好きになれるような単純なものだったら、わざわざ虫眼鏡で穴のあくほど睨んで、勉強して、わからない言語で敢えて格闘して、身体けずって取り組んだりしようと思わない―――としか、今はコメントのしようがないかな(笑)

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Cendrillon - Cie La Feuille d'Automne - YouTube

この本の隣に『ダンス整体学・骨格』の本があってそっちに気を取られていた私。そうか、英語で骨格や痛みの表現になんとか辿りつけても、フランス語でまったくできないというどうしようもない私・・・・しかも肝心のタイトルを忘れているって・・・。