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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

Sylvie guillem/シルヴィ・ギエム 日本のエージェントを通じ引退コメント発表

 8月4日の記事 Sylvie Guillem/シルヴィ・ギエム、引退の可能性について - Entre la poire et le fromage で触れて10日後。本日、日本でのみギエム引退報道があった。大手マスコミが騒いでいるなあ、と思ったら、どうやら29日から東京で踊るため(東京バレエ団の50周年記念公演に客演)、そのエージェントである日本舞台芸術振興会の公式HPにて、今日付けの「コメント」が短く発表されている、という状況らしい。全国ニュース(の価値判断)的には「100年に一度の」「東日本大震災ではチャリティーに駆けつけた」ギエムさん、ということになっている・・・模様である。この一年余り、海外で英仏マスコミのひとくせもふたくせもある記事と格闘してきた結果、かえって表現に日本独特の臭を感じる。

 「私は2015年の終わりに踊ることをやめます。日本でさよなら公演を行う予定です。現在のところ申し上げられるのはこれだけです」

 が全文。東京などで引退公演を行う、としている。

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 私が7月の段階で仕入れていた情報では、東京以外に引退公演をするとあの夜、ギエムが某記者に語ったのが、パリ、ロンドンの2都市。英仏マスコミ各社を大慌てでチェックしたが(仏に限って言えば新聞・テレビ各5、ラジオ1、通信社1)全ての文化欄、一切報道していない。当のご本人のHPはと言えば、これも前出 ダンサーの社会的責任(4)世紀のダンサー、シルビィ・ギエムの環境保護活動 - Entre la poire et le fromage 予告の通り、今月上旬から「フェロー諸島へ行って環境保護」活動報告メッセージやら、陸や海の写真がアップされていて、世紀の大発表なんか期待して見たら、ちょっと肩すかしを食うかも(笑)。

 まあこれで、29日からの東京バレエ団のチケットは完売御礼確実か。

*****************ギエムネタ、以上おしまい!*****

 仏・英各紙の文化欄をざああああっとチェックしていて、およ?日本人がトップになっていたのが仏・リベラシオン紙。

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Attendu en France le 4 septembre, «l’Incolore Tsukuru Tazaki» s’arrache déjà à Londres.

Haruki Murakami, «l’incolore» de l’argent ERIC LORET

Haruki Murakami, à Prague en 2006.

 9月4日にフランスで「多崎つくると彼の巡礼の年」が発売になるにあたって、今週英国で販売された状況を踏まえ、村上春樹氏の仏国内での受け止められ方と、作品解説。

 「タサキツクルは、昨年既に日本でナンバーワンの売上を記録しており、ムラカミの新たな一面、あいまいかつ勇敢に、成熟度の高いレベルを求めて期待されている」「ツクルは、日本語で『製造』を意味します」

 英国ロンドンの書店では、深夜のカウントダウンが行われた。8月24日、英国・エディンバラでのブックフェスのチケットは完売。「最大の、日本の生きた著者」。 フランスでは海辺のカフカと1Q84がトップの売上。記事の書き手は、アンチ?ムラカミの日本のジャーナリストが若干イライラして「欧米での村上の受け止められ方について」相談してきたことを明かす。

 「基本的に、彼は私たちなので」と(その日本人ジャーナリストに)言わせているところが面白い。「(ビクトル)ユーゴとサルトルのチルドレンにとって、最終的に解決を与えない結末」が不満らしい。un auteur que les intellos nippons considéraient comme un faiseur.の最後の一文:「日本の知識人は、著者を行為者としてみなすのか(=そこまで求めなくて、いいじゃん?)」というのが、どうやらここまで長々(やれやれ)書いてきた、仏人ジャーナリストの素朴な反論のよう。