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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

フレンチポップス/LAAM・ラアム~フランスの多様性

Paris,France Danse

 LAAM、ラアム、と発音するのだろうか。フレンチポップスをユーチューブで探って行って、何とも衝撃的というか「歌う理由があるから歌う」声そのものを見つけてしまってどうしよう、という感じ。そして私の場合、そういった内的告発のメロディーに出合うと、身体(=ムーブメント)という武器に繋がる。

 曲紹介の前に少し脇道にそれるが、私の場合、自己を喚起させる音楽がなければ踊ろうとは、振付ようとは、思わない――ということに最近ハッキリと気づいている。いつだったかバレエダンサーが(ギエムだったのか・・・今となっては忘れた)『音楽がなければ踊らなかったでしょう』と言っていて「そ、そんなバカな!」とひどく衝撃を受けたことがあった。職業ダンサーが、そ、それは問題発言じゃないか、と(笑)。

 でも振付を考えた時の今の立場となっては分かる、分かりすぎる。音を探していても、締め付けられるような音楽、聴こえてくる「声」に、シンクロするもの、そうでないものを「身体」が判断する。耳ではない。

 で、ようやく本題のLaamさん。私が一発でしびれたのは『Petite Soeur』(プティスール)という曲。Petite Sœur, Je connais ta peine et ta douleur,
Les places qu'elles prennent dans ton Cœur,J'étais la même Petite Sœur,
Petite Sœur...と歌っているみたいだ。


Lââm - Petite Soeur - YouTube

 ウィキフランス版で調べると、1971年パリ12区生まれ、両親がチュニジア人。貧困と家庭不和、6人の兄弟の元、両親の離婚後は施設で育つ。歌は幼少のころから興味を抱いていたが、学校にも行かず不良少女をしていた頃、施設の職員がオケのコーラスに放り込んだ。デモテープを送り続け、働きながら10年、マライアキャリーのコーラスなんかも実は勤めながら、やっとデビューするも売れず。ところがセカンドシングルが世に認められ、もうあとはよくある自伝の如く「恵まれない環境からR&Bのトップシンガーに昇りつめた」まさにフレンチドリームの女神的存在。本名はLamia(ラミア)、フランス語で歌う。とにかくフレンチ~というなよなよ感がなくて、すっぱりバッサリ男気のある歌い方。2005年、当時35歳の曲らしいが、低音のリズムが痛みのある歌詞を押さえて、こちら側の筋肉に迫ってくる感じ。

 

『Pour être libre』は、2000年代にNYで流れていてもおかしくないダンスナンバーといった印象「あ、フランス語だったんだ」と後から気づくぐらい。『Chanter pour ceux』もバックはNYの風景。

 以下はゴスペル曲。Piero Battery という歌手とのコラボで子供たちがたくさん出てくるので、季節にはおススメ。


EXCLU-Clip Piero Battery featuring Lââm "l'amour ...

 この人のクリップをみながら(経歴だけではないのだが)フランスにおけるポップスの「多様性」(= la chanson avec de la variété française )をじわじわと感じている。フランスの面白さはまだ深く、私はその井戸の入り口にも立っていないのだと、そう思いたい。