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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

グラナダ版ホームズ第3シリーズ19話:The Man with the Twisted Lip『もう一つの顔』

 邦訳題は「唇のねじれた男」が一般的で、私もついうっかり。ドイル6番目の短編小説だが、うまい。

 

 邦題「もう一つの顔」??ネタがばればれでは。Wiki先生によると「NHK基準に引っかかったか」変更したらしいとのこと。「曲がった男」ってのもあったけどさあ・・・タイトル邦訳って難しい。【The Adventure of the Solitary Cyclist】は「美しい自転車乗り」私は、これ誤訳どころか、タイトルが指し示す人物がまるで別人になると思っている。「美しき」自転車乗りなら依頼者のご婦人のこと。でもタイトルが指示しているのは真犯人のことじゃ?彼のほんとうの、深い深い、孤独――「孤独な自転車乗り」とこれまでずううううっと思ってきたけれど、これに関する考察って既出?私が知らないだけだろうか。日本放送協会がらみの日本語訳問題だから、海外サイトで検索しても出てこないのだ(当たり前)

 さて本題、このストーリーは、夫人から依頼をうけて、家に帰ってこない夫を連れ戻すため、アヘン窟へと向かったワトスン。老人に変装したホームズと鉢合わせ。「アヘンやってないだろうな」「溶け込む程度にね」。。。。

 物乞いのブーンは、シェイクスピアやディケンズなどの引用が得意で人気者――ってとこから、いいキャラ立ちだ。今回「ブラッドストリート警部」(デニス・リル)初登場。今後第4シリーズとかの話でもきっと出てくるはず。

 *ホームズに叩き起こされるワトソンが定番になってきた。何時だろうがワトソンを道連れにしたいホームズと、寝ること、食べることを常に押さえておきたいワトソンさん。

*物乞いの収入について:「中流以上だ!」「興奮するな警部」。当時の背景を正典で確認しながら調べてみた。彼は「ロンドンの夕刊紙の記者」で、一週2ポンド=約10万円!「1週2ポンドで厳しい仕事に精を出すのが、どれほど辛かったかあなたも想像できるでしょう」えっ、なんでよ!!??いいじゃん、私そんなにもらったことないってば!!(笑)ところが彼、潜入取材・物乞い7時間で26シリング4ペンス、と言っているから計算すると当時の7万円。こらっ!で会社休んで、10日間でこっそり25ポンド=125万円をさくっとゲット。そらあんた、物乞いと探偵は昔から三日やったらやめられないって言うもんね(注:誰も言ってません、今私が作った)

 追記ですが、ホームズ関係の写真はフランス某シャーロキアン協会から。あとグーグルFR(フランス)でタイトルを英文で打ち込むと、結構いろんなサイトが出てきて面白い。今日は第3シリーズになってめきめき登場回数と気の利いたセリフが増えてきたハドソン夫人を発見。

 

 ハドソンさん役のロザリー・ウィリアムズさん。英国の名女優。出典は『コナンドイル・encyclopedia』(ドイル百科事典)というフランスのマニアックなサイト。読みだすとハマります。Rosalie Williams - The Conan Doyle Encyclopedia