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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

グラナダ版ホームズ第5シリーズ第28話・The Boscombe Valley Mystery ボスコム渓谷の惨劇

Sherlock

 The Boscombe Valley Mystery『ボスコム谷の惨劇』。56ある短編小説のうち4番目。第一短編集『ホームズの冒険』にあるから最初にホームズワールドに踏み込んだ中でも印象深いお話。さてグラナダ版のジェレミー・ホームズでは第5シリーズとだいぶ後半になって登場するけれど、はて見所は??

 

 正典読み返して好きだったホームズのセリフは 『特異性とはまず間違いなく手掛かりになる。犯罪の特徴がなく一般的になるほど、解明するのがより難しくなる』『明白な事実ほど当てにならないものはないのさ』

 これも正典のみ。ワトソンと列車で向かう中で(初回「文学知識ゼロ」と書かれていたことのしつこいリベンジかと思われる)『さて(到着まで)今はポケット版ペトラルカだ』。⇒イタリアの抒情詩人ですな。

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 今回感想一言で「いやあ久々すっと50分集中モノ!面白かった。★4つ★★★★」

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 何と言っても前作が『フランシスの失踪』で暗くて救いのないハナシ。ホームズ先生は自らの失敗に打ちのめされているし、ワトソンは苛立ち、ひとりの若き女性の精神も崩れてしまうし、美しい湖畔の景色が哀しみを倍増させ、観終わったあとモノを食べる気になれない話なのだった。

 ところが今回はほんとうの意味で初夏の溢れんばかりのイギリスの田舎渓谷が舞台。画面から爽やかな空気(ホームズは好かん、というけれど)に緑がまぶしくてホームズモノの中で異色。というか、正典読んだ時点ではこんな景色とは想像して居なかったからビックリ。そしてその景色に促されるように、

1:話全体が最後のトリックまで含めてスッキリとまとまる。

2:登場人物の一人一人がきちんと名俳優・名女優で役割を見せ、

3:何と言ってもホームズ先生がいつもの痛快捜査を「安定した心身のホームズ」で大人っぽく、テンポよく見せてくれる

 ―――ため、前回のマイナスポイント埋め合せ的・固定客サービス放映の回なのか?(笑)ホームズファンは万歳だ。

 話の筋自体は大したことないほうかも。でもぐっと大人げある後味のよい物語に仕立てている。全体のバランスがとてもいい、総合得点上位の回なのだ。 


 フランス協会からお借りしました。毎度メルシー。英国田園風景。紅茶セット。
 ワ:「新聞には何も書いてないぞ」/ ホ:「当たり前だ。紙くずだよ

 私:(そうよ、新聞には本当の事は何ひとつ書いてないのよ、両センセ❤)

 私は先週から紅茶が飲みたくてたまらなくなり、やっと今朝トワイニングのイングリッシュブレックファーストというのを買ってきた。拘ったのは「英国」ただそれのみ。そのうちきっと葉巻が吸いたくなって、ディアストーカーが欲しくなって・・・(笑)

 今回、屋外での二人のファッションチェック重要!!グレーの似合うホームズ、まあどう見ても高級品ですな。ワトソンはグラナダでは休暇中の設定だったので、いつもの服装のほかに、ホテルでは深紅のビロードのスーツなどちょっと普段見られないお洒落も楽しんでおります。ってかまた休暇?

 上記ポイント2の登場人物に関して。どの登場人物も脇役まで名役者ぞろいだった。*登場警部は「サマビー警部」ですが、きちんとホームズに敬意を払っており(昇進もしたのさ)礼儀正しく気持ちのいい男だ。*若旦那ジェイムズを見た時はビックリした。「や、山本くん!」と叫びそうに(笑)注:当方の昔の同級生、そっくり。運動部で、純情一筋、心やさしく、確かに“ハエ一匹殺せない”男だった。愛し合う依頼者のアリス・ターナーちゃん19歳ですと?宝塚娘役みたいに可愛い・・・あ、例えの使用方法が逆かも。ターナーのパパも味わいのある演技だった。サインのシーンで使われた万年筆に私の眼はくぎ付け。(文具マニア)

 *最後はほんわか幸せ~なメロディーと共にエンディング。いやあ、後味良すぎ。そのせいか、タイトルを英語で検索をかけると英語やフランス語の「絵本」が一杯でてくるのでビックリした。あとフランスでの児童向けの英語リスニングCDとか。字幕がついている動画とか。話に無理がないし、子供が見ても幸せな気持ちで理解できるストーリーだし。邦題は「ボスコム渓谷のミステリー=惨劇」というのが一般的だけれど、もはや「ミステリー」の域を越えて、親しまれる「ストーリー」になっている気がする。 


Sherlock Holmes- The Boscombe Valley Mystery ...

 

【追記】フランスのホームズ協会が当方リサーチネタ元ですが、そう言えば、本家本元のUKサイトってリンク済みでしたか? The Sherlock Holmes Society - Home 

The Sign of the Four ロンドンにいきたしと思へど、倫敦は遠し・・・・・