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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

グラナダ版ホームズ第5シリーズ 第29話 The Problem of Thor Bridge 『ソア橋』

Sherlock

 56短編小説の46番目作品。『事件簿』The Case-Book of Sherlock Holmes収録。「ソア」は北欧神話の雷神トールに由来する――という前置きはさておき、今作品は絶対に、ネタばれ厳禁モノ!!私的鑑賞記は星四つ★★★★、いやもう一個★!29話ともなるとホームズが好きなのかジェレミー・ブレッドなのか分からなくなってくる(笑)

  

 今作は高画質、ハイビジョンまたはブルーレイ必須の回。英国の田舎の庭園、赤いドレスの女、白いドレスの女、がソア橋の上で出会う対比的画面構図――女同士の心理ドラマ開始の予感。ホームズモノなのに花咲き乱れる背景。

 ベイカー街シーン以降については、素敵なサイトを発見。英国の『ジェレミーブレッドインフォ』。情報盛りだくさん。JEREMY BRETT INFORMATION: JEREMY BRETT AS SHERLOCK HOLMES 今回はこちらより画像お借りしました。 椅子の上に胡坐のホームズ。

ちなみにこの時、切り抜き新聞は「ニューヨーク・ヘラルド」 New York Herald の題字がちゃんと見えた(新聞ネタは刃物の如く眼を光らせてチェック中)合併前だったのだね、ワトソン君(笑)

*ストーリーとしてもホームズモノには珍しく女性心理を盛り込んだ作品になるのだけれど、映像の美しさが加わり成功。文章で読んだ時よりも『英国的演劇性』とでもよぶべきかな魅力が増している。

*米国上院議員のニール・ギブソン役を演じているのは、

ジェレミーの前妻、アンナ・マッセイのお兄さん。「アメリカ」の富の象徴?T型フォードでベイカー街に乗りつけて来たよ。驚いたよ。

*この作品ジェレミーは57歳ぐらいだけれど、ずっと安定している

 第3シリーズでは妻を亡くした直後で精神的にも不安定だったし、第4シリーズなんて降板を考えて髪を短く切ってしまったり、体重も増えて明らかに顔周りにお肉がついて・・・プラス、話自体も1,2シリーズに比べると劣る感は否めなかった。

 でも第5シリーズに入ってからは「やっぱり壮年のジェレミーって、素敵に歳を経てさらにカッコいい」恐れ入ったよ返り咲きと言うべき、神々しい輝きが。髪も戻ってオールバックになっているし、顔周りも心なしかスッキリして(薬の副作用だったんだよね)年齢を経て一層キレを増すという、成熟した男の余裕を見せている。

*弓道、もとい、個人でも趣味であったというジェレミーのアーチェリー姿も。精悍な横顔。。。。

 

*失態覚悟の落胆のホームズに「苦境にあるのは彼女だよ、会いに行ってみないか」とさりげなく知恵を貸すワトソン。なんてこったい!助けられたホームズはワトソンとがっちりと握手を交わす、ワトソニアンも満足の、友情の回!

*何をやるにも人脈だ・・・ジョイス・カミングスという若手弁護士(端役だけれど良い味を添えています)をくどいて面会に。ホームズのような仕事をしていると、必然的に敵は多くはなるが、法の番人、ヤード、地元警部、あらゆる方面(プロフェッショナルといわれる人々)に、確実に自分の味方を作って置かないと。ホームズ&ワトソン流、仕事の流儀。

*「さすがのゴールドキングも、私生活は光っていなかったようだね」

*情熱的な女ってそれだけに単純・・・男の愛が冷めても女の愛はしつこい。現代では逆の気もするけど。

この家庭教師がホームズ物では珍しくまっとうな考えの女性として登場。珍しくホームズが「あなたの心情」を訊ねるシーンと、この女性の回答は、地味だけれど一つの山場でもある。

*ここから一気に物語は解明へ。冒頭でも言ったように非常によくできていて、それに関しての研究もかなり行われているらしい。

こうなって    こうなって    橋の上から    考察して   

    

気づいたのさ   ほらね      ワトソン君の推理だと・・・・

  

 普通はね     でもホントはね

  以上、何度も見返したい良作でした。