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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

グラナダ版ホームズ第5シリーズ 第32話 The Adventure of the Creeping Man『這う男』

 56短編のうち47番目、「ストランド・マガジン」1923年3月号、『事件簿』掲載。シャーロキアン多くが認める、正典中最大のナンセンスストーリー!!依頼者は大学助手ベネット青年、事件は、上司プレスベリー教授の娘でもあり婚約者でもある部屋に不審な侵入者の影が・・・。これだけ頭に入れ、まずは予備知識なしで50分の冒険にいざ出陣!

 

*「都合がよければ来てくれ。悪くても来てくれ S.H」って今ならショートメールかな?こんな一文で、飛んで来てくれる友人、いないね(笑)

*正典のワトソンの地の文が泣ける。「彼は習慣に固執する人間で、しかも特定の習慣にとくにこだわる男だった。そして私はその習慣の一部になっていた。完全に確立した彼の習慣体系を構成するのは、バイオリン、シャグ煙草、古い黒いパイプ、索引帳・・・・私はこれらと同等のものだった」彼は進んでその「なくてもよいもの」の役割を引き受けようとしているんだけど――。「もし私が生まれ持った鈍感さで、彼をいらだたせても、そのいらだちは、稲妻のような彼の直感をさらに生き生きと素早くひらめかせる役目を果たした」

*ベネット君が訊ねてくるシーン、ああしつこいけれど何度でも書く。食卓の調度品が素敵過ぎて毎回眼を奪われている。ポットに入っているのは珈琲で、ワトソンが来客に注ぐのだからまるでこれじゃ秘書か奥さんだな・・・。エッグスタンドは濃紺の絵柄で他の陶磁器セットとはこれだけ違う。銀製品はバターケースとトーストスタンド。グーグル検索で見つけた。英国製。 *正典とはちょっと相談内容が違ってくるのだけれど、グラナダ版の方が導入には適切。映像映えとオチの意外性を考えた時に。

*「221B」が信頼のおけない住所だな、と教授からけなされるセリフはグラナダオリジナルか。「他人の信頼など期待していない。自分を信頼していますから」

*レストレード警部にホームズ「知的刺激のない事件は引き受けないのだよ」

*ラスト、今回の事件の裏の関連人物を起訴する証拠までレストレードに惜しげもせず与えてしまって。

*エキゾチックなタバコ置きアンティーク?とオルゴールらしき曲でエンディングとなり、なんだかご愛嬌・・・(このストーリー許せないシャーロキアンは多いと聞く)私は別にテレビ画面にコップを投げつけたくなるほど立腹タイプではなく。いいじゃん、こういう回があっても、という(笑)

*正典で最後の一文は「ロンドンへの早朝列車がある、ワトソン君。その前にチェッカーズでお茶をするぐらいの時間はあると思う」チェッカーズって、前回の「シンプソン」みたいに超有名なレストランだかカフェなのかと検索しまくったが出てこない。もう一度読み直したら、なんだ物語初頭で、カムフォードに向かう折、There is, if I remember right, an inn called the Chequers (自分訳:もし僕の記憶が正しければ、あそこにチェッカーズという宿がある)ってホームズが言っているじゃん。宿の名前だったのか。改めてグーグルしてみたら、UKってチェッカーズだらけ・・・・

*今回の助演賞は

おなじみレストレード警部にベネットくん。

Granada-cree-13.jpg ポマードで撫でつけていないさらさら髪のホームズ、夜半に思索中の姿は微妙にセクシー。いつもながらSSHF(ホームズ協会フランス)の百科事典サイトより。お世話になります。Sherlock Holmes Granada S05E06 - The Creeping Man - The Conan Doyle Encyclopedia

 


Jeremy Brett as Sherlock Holmes - 'The Creeping ...

 ホームズ関連kindle含め洋書特集。新刊もあります。