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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

グラナダ版ホームズ第6シリーズ 第41話(最終話) the Mazarin Stone『マザリンの宝石』 

 56短編のうち46番目、ストランド1921年10月号『事件簿』収録作。三人称で書かれた。最終話だけに、入り組んだストーリーの見どころ要約し、下書き保存してから鑑賞したら、なんと全て消えていた。賢いはてなブログ、いつもバックアップ機能に助けられていると安心して開いたが、きれいさっぱり消えている。がっくし・・・。

  

今回はジェレミーが入院してしまい、兄マイクロフト(左)担当『マザリンの宝石』+ワトソン(右)担当『三人のガリデブ』と二つの正典を合わせた、異色の脚本。

 ドラマ冒頭、ホームズは「スコットランドへ数週間旅するつもりだ」。まさか、ほんとうにお別れの挨拶になってしまうとは。ベイカー街はどうするんだ、というワトソンに「君に任せた、第三の眼で見守っているよ」と言うのも、どことなく示唆的。

*正典で私が烈しく同意する冒頭のH&Wのセリフ。日々のモットー*

『「なぜ食べないんだ?」「空腹だと頭の働きが冴えるからさ。医者として君も認めなねばならない。消化に血液の供給をしなければならないのは、頭脳にとって非常な損失になる。僕は頭脳だ、ワトソン。それ以外の僕はただのおまけだ』

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 1)私語一切厳禁のはずのディオゲネス・クラブにマイクロフトに依頼を持ちこむシーン。そんな大きな声で・・・。フランス政府に返還予定だったマザランの宝石。ちなみにフランス読みではinは「マゼラン」の発音になる。

2)Dr.ワトソンの看板見たのははじめてかも?!ガリデブ姉妹が訪れていかにもイカサマっぽい「ガリデブ姓の男探し」に兄がハマってるので助けてくれと依頼。

3)バーミンガムの広告の乗っていた新聞が「The×××」タイトルが隠れて見えない。

4)マイクロフトVSシルヴィウス伯爵。やはりここ一番の時、腹を据えた賭けに出られる大きな男かそうでないか、を(実生活でも)見極めねば、と思う。そして何度も繰り返すように、歴史を作るのは常に、男。マイクロフトを見ていてほんとうにそう思う。 【余談:BBC版『シャーロック』マイクロフト役のマーク・ゲイティスの兄上の立ち回りが良い。外見は正典通り白くてぽっちゃりしているんだけど。ゲイティスはBBCシリーズの制作総指揮でもあり(スティーヴン・モファットと共同制作、脚本も手がけた)彼自身は小説家でもある】

5)221Bにガリデブ姉妹が訊ねてくるシーン、この時のハドソン夫人の対応は、女なら分かる!!(笑)明らかにこの二人に生理的嫌悪感を抱いている感じだね。

6)正典では、この後伯爵がホームズに罵声を浴びせて221Bを出てったあと、ホームズは「バイオリンでハフマンの『バルカローレ』(Hoffman Barcarole)でも練習するよ」ということになっている。「ホームズは通りすがりに部屋の隅からバイオリンを取り上げて出て行った。しばらくして、いつまでも耳について離れない長くむせび泣くような旋律が寝室の閉じた扉からかすかに漏れて来た」という描写が私は好きだった。

 ウィーンフィルのバイオリンで探したのだけれどどうしても出てこず。こちらはニューイヤーコンサートのもので、泣くようなバイオリンはあまり堪能できないが。


Jacques Offenbach -Barcarole.HQ - YouTube

7)皆さま、シェリー酒をご用意。ワトソン大けがのシーンは迫真の演技。普段行動も感情も押さえ、後方で低音パートを受け持ってきたワトソンが、今回こんな目に合い、ホントに死と紙一重って演技を見せるのは見ている方が緊張する。しかもどんどん脈が落ちてく感じがして、ワトソン、死んじゃう~!と思って(笑)この時、きっとワトソンは心の中でホームズの名を呼んだと思う。

8)ラストの一騎打ちは、相手のファー付きコートが、いかにも悪党っぽくていいねえ。兄にブラボーと言って終わっちゃうけど、事情とはいえ不完全燃焼。

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 やっと8月最終週から見始めたグラナダホームズ41話、全視聴終了。ブログに感想を書きとめようと思ったのは途中の第3シリーズも半ばあたりからだったので、この後再び第一シリーズから、ブログ未記入の回を(つまり一番面白い第一、第二シリーズ)再度アップしようと思っています。ゆくゆくは私的ホームズ関連データーベース化の備忘録。あとは現在フランスに居て英語を忘れかけているのにムチうつためと、可及的すみやかなロンドン脱出計画へ向けて(笑)なんとか仕事を見つけないと。

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