Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

グラナダ雑感 (『もう一つの顔』字幕版 again)

 必要があって、グラナダホームズ第3シリーズ『もうひとつの顔』を、初の「日本語字幕版」で見た。これをフランスから見るには。「FC2動画」というサイトに登録し(言語設定は選べる)さらに有料会員になる必要がある。何故か今日、クレジットカードが使えないアクシデントに見舞われ、FC2のポイントなるものをネットバンキングで購入しさらにそれを動画決済に還元する――??という、本来ならイラッと来るはずの手順も、日本語字幕にあり付くため、果てはホームズのためと、飢えた女狼の如く一瞬でやってのけた。昼間の私のあのエネルギーは一体どこから?(再生不可) 

 

 ジェレミー・・・若い・・・細い・・・。ジェントルマンだ・・・・

 日本語字幕にあり付けた嬉しさ云々より、やっぱりこのシリーズは3までだったか――、とつくづく思ってしまった。ジェレミーファンさん、ホント、ごめんなさい。

 だってジェレミー、顔が全然違う。立ち姿なんてスマート。

 シリーズ最後に近づくと、太ってしまいお腹が出てるのが見た目にも分かるし、それを隠す黒い衣装ばかりだった(と自伝に書いてあるそうだ。アマゾンレビューより)――ジェレミーが死の直前までこの役をやり遂げた、それは誰にも真似できることではないし、病との闘いのエピソードは悲痛極まりないものだった。

 が、4・5・6は作品的にも前半に比べてグラナダの「あがき」がよくない方向に出ていたのも感じられた。役者には「絶頂期」がある。だから引き際を決めるのだと思う。ダンサーも同じ。実際この3シリーズのあと、降板を願いジェレミーは自分で髪短く切ってしまったよね。

 そこで私はこの素敵なジェレミー、もとい若いホームズを見ながらつい、イケないことを思ってしまった。――「役者替え」案はなかったのか、と。

 この時、既にジェレミー、体調は悪く、本人も辞めたい意向だった。若くてスリムでジェレミー越えを目指す「二代目俳優登板案」は当然、局内に有っただろうに・・・とか。視聴者にとって『ホームズが若く機敏で(特に女性にとっての)永遠のMrジェントルマンであること』or『どんなに歳を取ろうが、へたれようが、ジェレミー様続投』=後者勝ちは言うまでもなく?。

 撮り残し作品もある。名作『緋色の研究』をグラナダで残してないのは痛かった。老いてからのホームズの演じられる話ではない。私が制作側トップだったら、まさに転機は好機。「新ホームズとワトソン役」を迎え、第4シリーズの幕開けは『緋色』長編からとする。スタッフ総入れ替えでリニューアルすべき最大の時機だったのだが――ーなど、勝手な妄想を。

 追記:それにしても、この「もうひとつの顔」(唇のねじれた男)12分で「of course!」(ワトソンの「もちろん!」のあとでテーマソングが流れるシーン、すごく「冒険小説」っぽくっていいね!あのシーンは好きだ。

 44分からの男の独白、ホームズ物で「やべ、自分うるうるキタ」という「やられた作」である。3人が本人が身なりを整えるまで待ってやっていたんだなあと思うと、紳士だなあ。尋問側3人のイギリス英語はキツイ口調にも関わらず、丁寧で、ほんとうにきれい。

 せっかく一か月限定で有料会員になったので、1・2シリーズだけでも字幕がどんな風に訳されているか、聞き比べながら見てみよう。面白いのはやはり前半だ!