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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

BBCシャーロック シーズン2 最終話『The Reichenbach Fall』(邦題:ライヘンバッハヒーロー)【その1】全体所感


MASTERPIECE | Sherlock | Steven & Moffat & Benedict Cumberbatch Re:

"Reichenbach Fall" | PBS - YouTube

  

★というわけでシリーズ最終話の第3話『ライヘンバッハの滝』:邦題がライヘンバッハ・ヒーローになっているそうな。今回はコメンタリーが付いていない。メイキングでこの回について言っていたのは、メインはモリアーティーとの対決。彼が居なければSHはヒーローにならなかった。彼とは表裏一体の存在。

★映像制作側から、画面『シンメトリー性』へのこだわりを強調。(左右対称性)それはたぶん技術上の処理についてだけじゃない。モリアーティーとSHの(出自は同じなのに)対照的な生き方、正と悪、気がつけば『IOU』(SHを何かにつけて脅した)あの文字自体もそうだし、感情と理性、生きている状態と死んでいる状態、このシリーズを通して含まれる「全ての対象物」を指すのか?とも。

★「有難うって言え」人からものをもらったら、お礼を言いましょう。Byジョンパパ。常に会見では秘書役。

★「オタクのシャーロック」鹿撃ち帽(ディアハット)についての言及あり。SH知らなかったのかとちょっとビックリ。彼の脳内HDDには必要ない情報だったのか。くだらないから削除されたの?

★ジョン「マスコミはあげたら落とすもの」って。その通りだ、それが使命。

 シャーロックのこの表情、何か不吉な自分の運命を察知しているように見える。いつもと違う「恐れ」が。

★最高度の強化ガラスが割れた⇒「結晶化したダイヤには負ける、つまりダイヤだ」GetSHの文字は『誰に対して』書かれたものか。彼ならマスコミを利用して、バカな大衆を操ることも当然戦略の一つ。

The Guardian 紙
Amateur detective to be called as expert witness(アマ探偵を鑑定人として召喚)」

★マスコミの待ち受ける外に出ていくときの覚悟の表情の二人。それからこの場の音楽。(歌詞入りのUKっぽいやつ)ビックリした。なんか早くもSHが幾分弱って見えるの。ポリスのタクシー(←パトカーという名・失礼!)の中は、ジョンが「法廷での心構え」ハウツーを解説中⇒ひけらかさないこと、≪知的な≫もダメ、言ったこと覚えてる?簡潔に、短く――

★明らかに脳みそ入ってなさそうなキティーちゃん。いる、こういう記者。SH:「優秀なら取材で話を聴く必要はない。観察だけでいい」≪録音≫「君には吐き気がする」⇒これぐらいのことを言ってあげても見てる方が反吐がでるアホ女。いいドラマには悪役が必要(笑・キティーがS2-3のIQ下げてると思うぐらい殺意を覚える、そ、それでいいのだ・・・)

 なんか今回のSH、最初から敵だらけで。必要以上に自分を守らなくてはいけなくて、無駄なエネルギーを使わなきゃいけなくて、可哀想。

★モリアーティーの法廷に立つSH「会ったのは2回、合計で5分。彼には特別な何かを感じる」――。

★答えは短く簡潔に。知識をひけらかさない――ジョンの注意セリフひとことたがわず繰り返す裁判長。ついに「自己顕示欲を押さえられそうですか、ほんの(ここ強いアクセントで)数分間!」⇒結果、捕えられて宿敵の隣の留置所へ。

 こうなる。シンメトリーな画面。

★シャーロックは判決を聞きに行かない。221Bで裁判長の言葉をかぶって発音しながら(たぶんモリアーティーがわざと捕まった『意味』(理由)を考えている)判決の結果など、想像ついている。

★「無罪」ジョンからの電話でそれを確かめた後、おもむろにティーセット用意。

 白く美しい手がお茶準備している!!く、来るぞ来るぞ来るぞー―。湯を沸かし、バイオリンを構え、真っすぐここにやってくるであろうその人を待っている――。

 ここからモリアーティーとの二人の221B内「ティー・タイム」シーンは緊張の数分。高度な会話はきっと後半への伏線かと思い聞き逃せず・・・。シャーロックの恐ろしく白く、緊張した引き締まった顔、紅茶を淹れる動作のひとつひとつ。手つき、顔つき、ミルクの量に至るまで、全てが緊迫して。華麗なる男たちのtea&talkに別の意味でくらくら。なんかこのシーンのSHみられて、ああとりあえず私、この歳まで生きてて良かったと思った(笑)ミルクティーだよ、ミルクティー!!

 So, you all know this tea set from The Reichenbach Fall, right?  The one Sherlock uses to serve Moriarty tea in?
I maaaaay have just bought it.  
I’ve been dying for a proper English tea set for ages, and all the ones I can normally find are either plain boring white, or horrifically floral, and this set is just perfect.  I could only get one teacup though, because they’re forever out of stock on the damn things.  I’ll just have to order another when they come back in and pay the frightening shipping charge again >.< 

    * 使われたティーセットはこちら。「SH、tea」で検索ヒットした(笑)

★「君は天使の側に居るからつまらん」これが最後のSH の鬼気迫るセリフに使われる

★ディオゲネスクラブは伝統的私語厳禁。正典に書いてあるでしょう、ワトソン君!!!

★マイクロフトとの兄弟確執――マイクロフト「弟とは色々恨みがあるんだよ」 JO「おもちゃを盗んだり、壊したり?」全然取り合わない。でも兄さんいつになく、顔マジ。こりゃ今回、何かあると思った方がいい。

★誘拐事件。泣いている寮母さんの近くに行って職務怠慢を散々罵倒したあと「信じます、手みじかに聞きたかっただけだ 過呼吸だから見てやって」。警察を呼ぶために2発発砲しちゃうような(2-1話)、いつものノリのSHと見過ごしていいか?どうも様子が違うのでは?彼は感じている、自分の周りに迫りつつある危険。不穏な空気。彼の中の何かが、少しずつだけど、エスカレートしている。

★もう一つ、頭脳の足りないアンダーソン。

JO:「楽しいか?」SH:「燃えて(萌えて)来た」「でも笑うのはよせ、誘拐だ」

 

★顕微鏡シーン:見てるこっちが燃える(萌える)。いつもは冷静なSHが「借りは・・・きっと、返す」ってつぶやいてる。モリーに「有難うジョン」って言ったのは、わざとでは。

 この濃いワイン色のシャツ、SHの(もといベネディクトの)肌色がすごくきれいに見える。すごい肌きれい。嫉妬するぐらい。ちなみに私より一つ年上。なんて美しい・・・。

★モリアーティー:「どんな童話にも、いい悪役は必要だ――」

★シャーロックを見て誘拐犯を思い出した少女。どういうことか、シャーロック、実はかなり、痛手を負っているように見える表情。

★SH、目の前で殺し屋がひとり殺され、今回ばかりは動揺の色が段々と深まっていく。殺し屋の役目は殺すことじゃなく生かしておくこと、それは「僕があるものを持っているから?」何か自分でも分からず、いらだつシャーロック。監視の目、差し迫る危険。確実に「恐怖」を感じているのに、孤独さが増して見える。ジョンでさえ届かない場所に。

★ドノヴァンに植え付けたのは「SHが犯人だ」ということ。天才は(最初に言ったように犯罪者と)紙一重、疑いを消し去ることはできない、一度その考えが――生まれると。ここ、レストレードの頭をつついて言うSH。

 危険な状況にあるのに、SHの周りは、仲間であった者でさえ敵だらけになっていく。

★戻ってきて――決める?「逮捕状を取るかどうか」。SH「世間の眼なんてどうでもいい。」

 ――ああ、これを聞いた時、マスコミに従事していたじぶんは、その「世間の目」を作りだす側に居たのだ、それと離れたかったから、こうしてひとりで出てきたのだ、それでも私にはジョンも、ハドソンさんも、レストレードも居なくて、ほんとうの一人きりだから、天才じゃないから、――きついよなあ、と思った。天才じゃないくせに、世間から離れたのだから、それは覚悟してたんだろうと自分に言いたい。

 二度と同じ場所に、媚を売らずに生きなければ、と。

★SH「世間がバカで間違っているんだ」――ここから続く一連の会話(開始50分前後)シャーロックVSジョンの本気対決。シャーロックは「君も操られているんだ」と言うしジョンは「本気でSHを知っていて、心配している」と自信がある。心配しているのにかみあわない二人。シャーロックの不安が増していることも一因。

★警視正に一発食らわせるジョン。さすがだ。捨て身のジョン。「厄介だな、保釈人も居ないし」とんでもない行動にでるSH。まさかの人質劇。こんな緊急時にも21世紀BBCコードを忘れない。頭を抱えるレストレード。あんたもアンタだけど、組織の人間の弱みだ。そうやって生きるしかない気持ちも、良くわかるよ。

★SH「うまいことついたな、シャーロックホームズを推理の天才と認めるより、詐欺師だと思いたい」それが大衆。

★マイクロフトに連絡しろ?「兄弟仲直り?今はやめとく」

★なるほど、バスの前に飛び出して殺し屋から「コード」のヒトことを聞いて、どうも靄に隠れてたモリアーティーの計画の根っこが理解できた。「コード」を彼の家に置いていった、だから殺し屋はありかを知っているSHを生かしたままそれを狙う=今の彼は「犯罪者のオトモダチ」で、それを世間に知らしめるためのモリアーティー裁判劇。やっとつがなる。

★「リッチ・ブルックRich Brook=(独語で)ライヘンバッハReichenbach」。しかも0101・・・はジョン・セバスチャン・バッハのパルティータ1番(BWV825-830 01/Preludium)かよ!はぁぁぁぁ~~。これは分からないよ、分かるわけないよ!!!でも最初にモリアーティーがロンドン塔に強盗に押し入った時、大音量でクラシック(泥棒カササギ:ロッシーニ)かけて踊りながら進んでいたよね。(これはアンドリュー本人の案だったとメイキングで明かしていた)ああ、クラシックの造詣も、シャーロックに劣らず深いのだ。あんな顔してStayin' Alive/The Bee Geesだけじゃないのよ――って(笑)

★『嘘を語る時は真実に包めば飲み込みやすい』――これ正典にあったっけ?+何故かアイリーンの「変装(=嘘/虚像)はどんな頑張ったところで結局自画像(=本物/真実)でしかない」というセリフを思い出した。

★61分前後、リッチ・ブルックに逃げられたSH,ゲームを終わらせるには――ここまでジョンに当たったのはあのイライラした往復の早歩きから本音だろう。でもはっと気づく。最後のたった一つの方法は――自分が「死ぬ」しかないと。それで「手伝うよ」というジョンを残し「いや、ひとりでやる」と。

★モリーへのことば。「モリー、君は間違っている。僕は大丈夫じゃなかった。僕はもうすぐ死ぬ。僕が君が思うような人間ではなく、僕が思うような人間じゃなくても、助けてくれるか?」「何が必要?」「君だ」

 よし。仕込みはかなり本気で21世紀レベルの大掛かりなものになる(とここで視聴者に気づかせる)だってモルグだもん。アイリーンの時のあの手があるし、モルグの人間を抱き込むってことは―――。

★JO「シャーロクの破滅を望む人間に、あなたは渡したんですよ、武器を」でいいかな?マイクロフトの苦渋の決断にマジギレのジョン。たまにはいいぞ。怒る時に怒れない人間だけは、私は軽蔑する。(←あ、ここブログ筆者の地の文)

 つまり弟を半分売ったことになるわけか?国家のために?

★「メール読んだ」で実験室に入って来た時、彼(Sh )は何をしていた?床に座り込んでボール遊び?――まさか。彼だもの、意味がある。考えていたわけだ。段取りを。

★「孤独は僕を守ってくれる」「人を守るのは友達だ」――これがジョンとの、まっとうな最後の対面シーンになってしまうとは・・・。

 JMから「待っているよん」のメール。68分あたり。ロンドンの朝。つまりここからラストまでノンストップで約20分。一時停止してtoiletteなど済ませ、眼薬(ドライアイのため)&ミネラルウオーターの用意!(笑) 

★「つまらん。結局は君も凡人だったけど、退屈な人生が続くだけ」と嘆くモリアーティー。でも彼らは表と裏。シャーロックはモリアーティーの存在によって「ヒーロー」になったという制作陣(というか監督)の意見には私は個人的にはもろ手をあげて賛同しかねる部分があるのだけれど。

 

――逆に言えば、モリアーティーなんて、シャーロクがいたから生きられたし救われたんじゃないか?フランスファンのブログの中には結構面白い感想があって、ジョンのラストのセリフはそのままモリアーティーの気持でもある(僕は救われた――僕は孤独だった)と同情してしまう、というのが印象的だった。なるほど、そういう見方もあると納得。

 軍人らしいジョンの毅然とした歩き方をみて、涙誘われそうになるが――そこはシャーロックだからね。。。。。。

  

-----全体所感【その1】はここまで。次回【その2】は個々の人物や精神状況にフォーカスし、・ラストシーンの動きを中心に、・モリアーティーの性格偏向についても検証予定。