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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

Sherlock 3-2 『 The Sigh of Three:邦題: 3の兆候』 結婚狂騒曲・先走り推理編 その1

 

 今回はThe・結婚狂騒曲!お洒落な画像、編集技術とSHのジョン依存度・精神分析を力抜いて楽しむ回か。とかくシリーズ3は、全てがラスト第3話へ結集するようネタが張り巡らされている。第2話は、遊び心満載の緩めエピソードで、トリック好きマジファン、正統派シャーロキアンの中には眉をひそめる人もいるだろう。いわゆるBBC/SHファンとしてみると、いつものSH節やら皮肉が調子っぱずれなので辛口コメントが多いかも。あるいは、ベネディクトファンであれば、彼の意外な姿が見られてご満悦かもしれないが。個人的には今回、映像技術さん、制作サイドの非常に凝った編集が伝わってきて、きちんと評価したい。

 とにかくいつものゴーマン、オレ様SHが見られないと、こっちも調子が狂うんだよね、という方、そのハイレベル鑑賞エネルギーは是非、次回3話まで保管されたし!

 後半は最終話への伏線がちりばめられているため、その点だけ留意。SHがいかなる紆余曲折を経て、極めて特異な人格形成に至ったのかという点に思考を巡らせるのが私の今回のテーマ。次回最終話へ続く、大きな敷石。


Sherlock Series 3: Episode 2 Trailer - BBC One - YouTube

 正典はもちろん『四つの署名』The Sign of Four:BBC版の邦訳が「3つの署名」でなく『兆候』としたのは、意図を汲んだと評価すべきか単にネタとしかならないか(笑)

 今回も至る箇所に正典へのオマージュのオンパレード。英国のツイッターで気づいたのだが、各シーンごとに撮影監督が違うらしい。総括はライヘンバッハの時のスティーブ・トンプソン氏。

 書きだすとそれだけでスクリプトが出来上がってしまうので単純に【四つの署名】――・兄マイクロフトは結婚式欠席/しかも「5月の結婚式」/SHの祝福できない気持ち/「ベストマン」の方向はずれな解釈(これまでで最高の男とは・・・)

【マザリンの宝石】蓄音器(録音された演奏)

【背中の曲がった男】からは、デイヴィッドという名の元カレ。正典では「ダヴィデ」より、この名が最後に明かされる謎の一つになっていた。

正典ネタではないが、今回重要事項が明らかになったので!

Vatican Cameos! ヴァチカン・カメオ】アイリーンの金庫シーンでも登場したこの謎のセリフ。今回再登場。ついぞ英国サイトで発見!

 ⇒『DUCK!(伏せろ!)』の英国軍の隠語だった!

The phrase first originated in World War 2. It was used when a non-military person, who was armed (gun or knife) entered a British military base.

 このフレーズは(銃やナイフを持って)武装した『非軍事人』への暗号として、第2次世界大戦で使われたもの。Sherlock knew that John, being a military man, would recognise this phrase and duck out of the way of the gun in the safe. シャーロックはジョンが軍人であることを知っていたため、このコードを使った。It is not a code phrase which Sherlock and John coordinated as a safe word.Very clever, don't you think?別に彼ら二人が口裏合わせして造り上げたワードではありません。いやなんとも巧妙だと思いませんか?―――とのこと。

 ほかにもたくさんあるのだけれど、小ネタを検証しだすといつまでたっても終わらないので(笑)そろそろ本題全編へGO!

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1)「取り逃がす」――新聞記事ばかり。いらつき続けるレストレード氏、結構好き。男の本気はカッコいい。デレデレ部下に媚を売るような上司よりもね。

キシマム・ックアップ!」笑ったね!SHからHELP. BAKER ST. NOW. HELP ME. PLEASE(今すぐ助けてSH)のメール。レストレード、いつもの頭の一音を強く発音(MaBa)してダッシュ!手柄もドノヴァンにおしみなくやったのにだってShだもの、放っておけない・・・

 ・・・「what?」私も一瞬停止して本のタイトル確認。『こころに残る結婚式スピーチ集・ベストマン』――(死ねSH・・レストレード、原稿用紙15枚分の殺意芽生える)

2)オープニングの後のSH奏でるヴァイオリン曲が素敵。紅茶を持って上がるハドソンさんのブラウスの色は、品があっていいね。と思ったら、それは録音で(上記正典ネタ)当人はワルツの練習中。やられた!ここでハドソンさん、こともあろうにSHにひとつ小話。この時の「友人」(式の途中で帰っちゃうのよ・・・)をよく覚えておいてね。最後に、みんなを残してひとり、会場を後にする寂しげな人物がいるから。

 SH「バトル」って言ったね。戦闘服、用~意!

3)素敵な結婚式いよいよ開幕。(私は過去も未来も予定ナシ)

 

 音楽も映像もNice!単純にここは楽しもう。元カレ・デイヴィッド君、名前の由来は正典より。221Bで二人の会話時の、SHの表情があまりにホラー・・「サイコパスじゃない、高機能ソシオパスだ」でもこの表情⇒ラスト満面の笑み、はマジでサイコドラマ。自分で演技してる感じも否めず。周囲の親しい人たちはまあ暗黙の、という感じだけれど、彼は感情が誰より烈しく、敏感で、繊細だから(まるで陶器のように)、それを封鎖するためにソシオを装ってカミングアウトしてる。その方が楽で、生きやすいから。でなきゃ、あんなに上手にバイオリンを弾いたり、染み入るような美しいメロディーを作曲できるわけがないの。(バイオリンは彼なりの危うい精神バランスのとり方)

アーチーくんの手なづけ方みても見事(普通はSHとガキの取り合わせなんて見てる方が心配しちゃうのに)ツボを心得ているから相手が子供だろうと恐竜だろうとこっちに勝負あり、ってのは確信してるわけ。ポイントはひとつ。相手を絶対に子供扱いしない。子供言葉を使わない。自分が降りて行かないから、相手を同レベルにまで引きあげさせる。子供相手にですよ?これができるのはSHだけ。どんな資格もいらない、ただSHであれば。

  

 4)レディ~ス&ジェントルマン、&――犯人、の皆さま方。  

 5)「ショルトー少佐」のことSHは聞いてないのに何故メアリーは知っている?マイク兄に電話入れる弟SH。忘れたふりしてもわざと出席していない。もちろん理由あり(3話への伏線)そして最大の謎:マイクロフトのセリフ

「Red Beard」レッドベアードを忘れたのか?

  キ、キタ~~~(私、大リアクション!!)

 意味的にはイギリス最初の戦術核兵器のことです――って辞書はいいから(笑)3-3話で明かされる、シャーロックの幼い頃、飼っていた愛犬(ゴールデンレトリバーと思われる)の名。安楽死?(というような単語だったと思う)殺されている。おそらくシャーロックのなんらかの過失のせいで、さらには次の3話で恐喝王ミルバートン、じゃなかった(それは正典)「あの男」に握らせる、弱みの一つに。

 (ネタばれ 3-3話のSHとレッドベア―写真)

  ――以上から推察:レッドベアードを兄が持ち出した理由

1)「深入りしないでくれ」(=危険だから)という、兄弟にしか分からないある種の警告。かつ、 

2)Shにとって最大の弱み。その後の人格形成にまで及ぶ「トラウマ」となった事件 

3)当然、人の死が関わっている。つまり少年シャーロック君は、すごく小さい時に一回死ぬような目、あるいは死んだも同然の出来事に合っているはず?

 犯罪の側かもしれない。他人を殺した過去があるのかもしれない。知っているのは、兄だけで、彼もなにがしかの(弟を守れなかった)責任を感じている。あんな性格になったのは自分のせいであり、弟を手元に置いて監視し、守ってやらなくてはと考えている。やはり殺人レベルの何かを(過失であるにせよ)犯していると考えるとスッキリするんだけど。それが「愛犬死んだ」に象徴される出来事なんだけど、兄弟は以後一切その名を口にせず、暗黙の了解としてきた・・・って推理は飛ばしすぎ?

 私が脚本家だったら、まず書けそうなのは「SHの双子の兄(または弟)の死」パターン。並みすぎて面白くないかあ。あそこまでSHの特異な性格を作り上げ、また兄との権力関係/すなわち「マイクロフト兄」=いつでも正しい(絶対的権力者)にさせた一因を、幼少期の早い段階で、つくってあげないと。

 ――いずれにしても「レッドベア―ド」は第4シーズンに繋がる、大切なキーワード?英国ファンブログで色々書かれているけど、そこまで慎重にならなくてもいいという見方もあるし。

 **というわけで、今回内容をそれてシリーズ4予測(2016年)までぶっ飛ぶ「コメント狂騒曲」になりつつあります。だって秋だもの。天高く妄想はどこまでも。ゆえにその2へ続きます。