Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

何故フランスは――その3:最終回: 核大国なんでしょうか 

 昨日、やっと学校の口頭試験まで全て終わりました。やった~ノエルだ~。これから2週間のバカンスに入ります。

 さて、我ながらアホだな~と思ったのが、口頭試験のお題は、先生の持っている紙の中から着た順に引き、別室で20分間の準備、15分の口頭試問、という流れです。

一番ノリだった私は何を選んでも良かった、全てのテーマがでそろっていたはずなのに・・・よりによって蓋を開けてみたら「フランスは今スグ全核施設・核利用を撤廃すべきだ」――これ、私マジで昨日ブログで書こうと思ってた第3回目のテーマなんですけど・・・もうあいた口がふさがらないとはこのこと。crédits : Mairie de Paris/François Grunberg

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 気を取り直して。論点をまとめてみましょう。なんでフランスって世界1の核大国なのか。

 フランスは核兵器を持つ「軍事大国」です。決して愛の国、ゲージュツの国、それだけじゃありませんよね。しかもその核を利用した「外交大国」でもあるわけです。イラクも反対。リビアも反対。国際的発言力はこの核の軍事力にあると言えます。

 日本の原子力のフクシマの例があって、世界中で「原発の是非」が問われる中、一貫して、58基の原発を抱えるフランスは急進派です。

 1974年のドナルド産業相の「ドナルド報告」ってやつに遡ります。

つまり、当時の石油危機と中東石油依存の現状があって、「フランスは67%を石油に依存している。だからその石油危機の影響がダイレクトに来てるじゃないか!政府は安全保障と消費エネルギーの低価格化のために核を推進する」と言って、原発の必要性を訴え、「エネルギーの独立」をこの時、宣言したんですね。

 フランスにとって「独立」って、たぶん我々日本人が考えるより、ずっと重くて深刻だとおもうんですよ。人の支配も援助も受けない、従属もしない。つまり国旗に代表される「自由。平等。博愛」と同じだけのプリンシパル(原則)なんだと思っているんです。彼らにとって原発は彼ら自身が選択した「独立」なわけで、現在75%を原発に頼っているおフランスがですよ、いきなり反対だの脱原発を叫び出すとは思い難いし、不可能である、というのが私の回答です。

 フランスの報告書を読めば、どれだけこの国の環境保護への研究が進んでいるか、安全と放射能からの保護についてのレポートが豊富か、「事故ゼロ」なんてありえないからこそ、安全に重点を置いてその研究の差は日本は遠く及ばない。フクシマの直後だって、これは殆ど日本で報道されなかったけれど放射能に対し、甲状腺被ばくを防ぐ効果があるヨード剤をはじめ、防護服1万服、護衛マスク3千個を贈った。これらは日本に常備されていたのかどうか??

 正式機関としてはASN(原子力安全院)とIRSN(放射能防護原子力安全研究所)の2つ。フクシマの例を最高級からレベル6に下げたのもASNでしたよね。

 フランスの基本理念は「防衛ない国家に独立ナシ」自分の国は自分の国でまもりましょ、という「我が道戦略国家」です。

 それに、原発は既にフランスの基幹産業。「脱原発」なんてしたら、それによる経済的打撃は大きすぎる。

 それに加えて、現在フランスは「太陽光」「風力」「水力」と言った代替エネルギーの開発分野においてもトップレベルである。あんまり知られてないけどさ。つまり、ずっと核に頼ると安心しきっているわけでなく、よりよいものがあれば、そっちを選択し、研究を進め、よりよい未来を自分たちの手で作っていこう、ということなんだ、要は。

 不思議の国フランスを3回に渡ってお届けしました。

また次は別のテーマでやるかも。皆さん、よいNoelをお過ごしください。