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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

パリ・マレ地区のカルナヴァレ美術館へ――パリの歴史を語る館 Musée de l'Histoire de Paris

Musée Carnavalet | Musée Carnavalet - Histoire de la ville de Paris | Paris.fr 

 明日、パリの『カルナヴァレ美術館』:Musée Carnavalet 23, rue de Sévigné 75003 Paris に行くことになりました。せっかくの機会ですから、予習の意味で、アップしておきますね。絵画作品をはじめ、工芸品や王家の人々の日用品などのコレクションが展示された『パリの歴史博物館』です。

 

【歴史】

★マレ地区にある瀟洒な館、カルナヴァレ館の歴史は16世紀に遡ります。パリ市議会議長、ジャック・デ・リニュリさんの個人邸宅として1548年に建造。17世紀半ばには、ブロア城を設計したこ建築家フランソワ・マンサールさんに改装され、1677年から1696年には社交界の花形セヴィニエ夫人(作家)が住んでいたことで知られています。
★美術館としての歴史は19世紀半ばから。第二帝政下、パリ改造計画によって、古いパリが破壊され消え去ろうとしているとき、パリの歴史を伝えるミュゼが必要だということで、1866年セーヌ県知事オスマン男爵の発意で、「パリ市」が館を買い上げ、歴史博物館に改装したのです。以降たびたび拡張され、1989年には隣接するル・ペルティエ・ド・サン・ファルゴー館も統合し現在に至ります。

【コレクション】

★遺跡、かつてのパリの眺望、古い建築物の模型や装飾、パリに暮らした有名人の肖像画など多岐にわたります。先史時代からのパリ市の発展を伝えています。昔のパリの町並みを飾った看板や、ルイ16世紀様式の貴族邸宅の内装を移築した「ルイ16世の青のサロン」の豪華さ!!

【フランス革命】

★革命前夜1789年7月12日、ドイツ人騎兵隊指揮官ランベスク公がチュイルリー庭園にて発砲した事件がありました。これが民衆の怒りをかき立て、バスティーユ襲撃を引き起こすきっかけになったとも言われています。これらを描いた絵画は当時を生き生きと語っています。両脇のスロープや池、彫像など、チュイルリー公園内はそのまま、現在も変わらずにあります。
 革命でフランスは欧州諸国でもっとも早く共和政を実現しました。1792年には王権を停止、国民公会を作ります。カルナヴァレ美術館に所蔵された『人権宣言』のパネルは、市民たちによって国民公会に寄贈されたもの。実際に、議会が行われたチュイルリー宮に飾られていたそうです。
 議長は、革命の指導者的存在ジョルジュ・ダントン、マクシミリアン・ロベスピエール、画家のジャック=ルイ・ダヴィッドも名を連ねます。このへんはベルばらでおなじみでしょう(笑)

【マリー・アントワネット、ルイ16世最期の日々】

★国王一家は悲劇の道を辿りますね。革命期コレクションの中で見るべきは、幽閉中の国王一家の生活を伝える一連の絵画や品々。1791年、国王一家が国外逃亡を企てたヴァレンヌ事件の後、ルイ16世、王妃マリー=アントワネット、マリー=テレーズ王女、ルイ=シャルル王子、王の妹エリザベート王女は、パリのタンプル塔に幽閉されました。

 国王一家が幽閉時に使ったベッド、本棚、テーブル、椅子などが再構成されています。ルイ16世が使ったナイフとフォーク、計測器、チェスの駒、王子の鉛の兵隊など、身の回り用品も。アントワネットの遺髪を入れた指輪にペンダントヘッドなど貴重な品々もあります。

1793年1月20日、断頭台に送られるルイ16世に家族たちが別れを告げる場面、1793年7月3日に母親マリー=アントワネットからルイ=シャルルが引き離される場面など、国王一家を襲う出来事を伝える絵画も。後年マリー=テレーズらの証言を元にドラマチックに再構成されたそうです。

 まだあどけない表情を浮かべるルイ=シャルル王子の肖像画をお見逃しなく。国民公会の命令により、実際にタンプル塔で描かれたそう。幽閉されたとき、7才だった王子は3年の後、タンプル塔にて病死しました。

 ルーヴル美術館やオルセー美術館のような超有名美術館で、だれもが知っている絵画があるのではない、小さな、市の博物館です。けれど絵画を美術作品としてのほか歴史を伝える絵巻物として接する貴重な機会です。これらの時代を生きぬいた当時の人々に思いを馳せ、パリの歴史を巡る旅。さあ、ボン・ボワイヤージュ!(良い旅を!)

行き方はこちら。メトロ・サンポールから徒歩すぐですね。

Accès / Horaires, accessibilité | Musée Carnavalet - Histoire de la ville de Paris | Paris.fr