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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

《フランス料理考 ア・プロポ》 “美食の国”の素朴さを伝えるために la cuisine française

Gourmet Français Paris,France

 先月1月末から突如このブログが「フレンチ料理ブログ」に大変身して、一体何が起こったのかと驚いていらっしゃる読者の方もおられましょう。毎日フランス料理の定番だの、パリの隠れ家ビストロだのを必死になって探しているのも、行き当たりバッタリではないんです。

 美食の国フランス。なんでそんなところに不食の私が来てしまったのかと悶々と思い悩みながら、ここから2時間半の某料理がマズイとされているあの国へとんずらしたいとうなされた日々。まあここは一つ腹をくくって、世界無形文化遺産でもある「フランスガストロミー」から、この国の文化を考えてみるのも悪くないじゃないか、と。そこで思い切って本を書こうと思った次第なのです。単なるレシピ紹介でも美味しいレストラン紹介でもなくて、「食」という側面から、この国を文化的・歴史的に切り込み、ナイフを入れて分解して、その構成を理解したい。それが今生きている「フランス」「ヨーロッパ」ひいては自分の育った国を改めて感じる上でも、意味のある取り組みかな、と。

 そんなわけで、日ごろの「フレンチ郷土料理レシピ紹介」「パリのビストロ発掘」の連弾に加え、多少時間のある週末に、本の原稿の下書きとして使える、ある程度「まともな」単発文章を、幾つかブログでストックしておこう、自分を訓練させて置こうと思ったわけです。

 シリーズタイトルは別に何のひねりもなく《フランス料理考》。予告なく時々登場することになると思いますが、そんなときはああ、ちょっと掘り下げた思考型の文章の訓練なんだな、と思って、大目に見て下さると幸いです。もちろん、まだまだ取り上げたいレシピ、ビストロ、フレンチネタが沢山あるので、レギュラー分のほうもどんどん平行してアップしていきますよ。一通り郷土料理の大御所を紹介し終わったら、その後実はワインとチーズについても何度か回を定めてフォーカスしたいと下準備中です。おたのしみに。

 さてさて今日は《フランス料理考 ア・プロポ》。(前書き)の章です。

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『フレンチ料理』ーー辞書的な定義としては「16世紀にトスカーナ地方の料理の影響を受け、フランス王国の宮廷料理として発達した献立」の総称、ということになりますね。ソースの体系が高度に発達していることが特徴で、各国で外交儀礼時の正餐として採用されることが多い。はい、今日のお勉強はここまでです。(笑)

 
 ようは和食を日本料理というように、フランスで食されている「フランス料理」。何も難しくこねくり回すことはありません。歴史的にみて、正餐にも使用される、厳格作法にのっとった「オートキュイジーヌ」全般をも含むってことが言いたいわけですよね。もちろん、フランスの各地方には庶民に親しまれる昔ながらの」郷土料理」が多くあります。フレンチと聞いてぱっと頭に浮かぶ、高級料理だけでなく、そんな一般的な家庭料理を中心に、フランスの「伝統/食文化考」に近づいてみたいというそんなコラムシリーズです。

 フランス語では「la cuisine française(ラ・キュイズィーヌ・フランセーズ)」ですね。フランス料理を「フレンチ」と呼ぶのは日本の呼び方です。「フランスの美食」は、2010年にユネスコの「無形文化遺産」にもなっています。その魅力のまずは全体像に迫ってみましょう。