Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

フランス人のソウルフード!? パリの「バゲット・サンドイッチ」 

日本人にとってコンビニで多くの種類のおにぎりが買えるのと同様、犬も歩けばブーランジェリー(パン屋)に当たるフランスでは、サンドウッチが庶民の味方。忙しくてランチなど出かける暇がないときに、公園で、メトロやバスの中で、道を歩きながらでさえ、フランス人たちはよくサンドイッチを片手にどこであろうとむしゃついている。老若男女関係ない。自分の家の近く、あるいは職場の近くにお気に入りのパン屋があるかどうかは、フランス人にとって死活問題らしい。彼らは買い置きなんて絶対にしないから、朝寝ぼけなまこでパン屋へ行き、昼に行き、おやつに行き、とにかくうまい出来立てのバゲットにありつくためなら、ロシア人もビックリするぐらい、店のそとにずらあああっと並んで、自分の番を待っている(基本、コチラのパン屋は『対面販売』方式。自分の番が来るまで待って、挨拶して、あれとあれとこれくださいって、商品揃って、お金払って、世間話して、で一連の流れ終了。いったい何分かかってるんだとビックリする)

 さあ今日の本題。なんとフランスでのサンドイッチは、あの「バゲット」に具がたんまりこぼれそうなぐらい挟まれたもの。我々が頭に思い浮かべる、食パンを使った「英国風」サンドはまずお目にかかれない。

 ぱりぱりのバゲットの皮に、おにぎりの具とどっちが多いんだろう、とつい考えてしまう程ある数十、数百種類のレパートリー。ガラス戸の向こうに、朝の6時半から仕込んでいたであろう沢山のサンドが「ごろごろと」山盛りに並べられている。この写真(下左)はどう見てもキレイなほう。もっと音がするぐらいごろんごろんと「寝転がってる」感じ。そして中身は(写真下右)ーーああこれもお上品過ぎる。もっとパリジャンの「自己主張」の如く、具たちは我先にと「俺が」「私が」と騒々しく飛び出ていなければならない。絶対パンの量より、「それやりすぎじゃん?」ぐらい、具のほうが多いのだ。最初に見たときはギャグかと思ったぐらい・・・。

 

 サンドイッチの中身でオーソドックスなのは「jambon fromage/ジャンボン・フロマージュ」。ハムとチーズのシンプルなもので「サンドイッチ・パリジャン」と呼ぶこともあります。よく世界でビッグマック指数ってありますよね。フランスではこのジャンボンフロマージュのサンドイッチ価格が経済指数として景気のよしあしの判断に使われているのだそう。日本のおにぎりでいえば、代表格「梅干」「鮭」みたいな?他には「poulet/プレ」(チキン)「thon/トン」(ツナ)。トマト、レタス等の野菜がこぼれんばかりに挟まれています。

 パリでは毎年「バゲットコンクール」なるものがあって、優勝したパン屋のバゲットはその年一年間、毎朝エリゼ宮の大統領のところに届けられるという名誉付き。すごい国だなフランス。日本でおにぎりコンテストがあって、優勝したら毎朝首相官邸に届けられるなんて絶対ありえないモンね。

《厳選!パリでオススメのバゲット&サンドイッチのパン屋さん》

1)17区 Yves Desgranges (デグランジュ)さん お店HP 

Maison Desgranges - Boulanger, Pâtissier et Traiteur à Paris - Les pains 歴代、家族で継いできた伝統あるパン屋さんで、イヴさんという今の店主は5代目らしい。一家で美味しいバゲットを焼いていらっしゃいます。ほんと、街のパン屋さんって感じ。2005年のバゲット大賞第3位で一気に知られ16区など、市内にほか3店舗。

 HPでも分かるように、バゲットだけですごい種類。塩はもちろんゲランドとのこと。香ばしい茶色で見た目も美しいあらゆるバゲットさんたちにもう目がくらくら。天然酵母使用。まあ確かに、店を出るなりカリッ、むしゃむしゃっと食いついている人々の気持ちも分からなくもない。

 Sandwich poulet crudités ←サンドはこんな感じ。結構皮がこげこげなのが特徴。このお店に限らず、パリではアンポルテ(お持ち帰り/テイクアウト)以外に、その場のイートインスペースで食べる「フォーーミュル」(セットメニュー)も一般的。たいてい飲み物、バゲット、デザートのスイーツ系(タルトとか)で7から10€前後。でも日本円で1400円ぐらいのサンドイッチ・ランチって、ちょっと高いよね

2)一区 Julien (ジュリアン)さん 75 rue Saint-Honore 75001 Paris

  Maison Julien

 高級ショッピング街サントノレ通り「ジュリアン」。過去何度もバゲットコンクール入賞歴がある人気のブーランジュリーといったらすぐに分かってしまうかな。有名店にしては、小さな店構え。通り過ぎてしまいそうだけど、お昼時は行列があるので分かります。バゲットの焼き加減が絶賛されています。外は硬く中はもちっとやわらかい。もうそのままで味わいつくしたいホンモノの味。バゲットサンドはなんと40種類。一つ味わったら、もう残り39個、全部食べつくしたいと思えるほどずぶずぶのリピーター覚悟で。