Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

ニシンのパイの包み焼きーーー魔女宅によせて

「夏のジブリ祭り」単独開催中のkotorioです。海外版の英語、フランス語、ロシア語などで、ジブリ作品を制覇しています。

『魔女の宅急便』。私が小学生の頃公開され、中学の時には何度かテレビ放映を見たのだけれど、ジブリの中でも好きな作品だー・・・と胸を張って言えるようになるまでに結構時間がかかりました。舞台はスウェーデン説とクロアチア説があるようで、実際ドゥブロヴニクに行った時は「キキの街だ!」と思いました。

f:id:kotorio:20160817044234p:plain *フランス語版「Kiki la petite sorcière」

物語中でてくる「ニシンとカボチャの包み焼き」が今日の主役です。おばあさんが孫のお誕生日ために焼いたパイですが、お届け先の女の子は「あんまり好きじゃないのよね」と冷たい一言。

このニシンのパイ、本当にヨーロッパにあるのか調べてみたら、案外すんなりそれらしきものがネットで話題になっているんですよね。すなわちイギリスの「Stargazy pie」=直訳すると「星を見上げるパイ」という料理です。パイ生地から魚の頭部(または尾部)が突き出しているのが特徴で、魚が星空を見上げているように見えるからなんですって。

でも実物って

f:id:kotorio:20160817042020p:plainとかhttp://i.dailymail.co.uk/i/pix/2015/09/16/20/2C64939D00000578-3237225-image-a-15_1442431285426.jpgとかf:id:kotorio:20160817042349p:plain で、

「ぜんっぜん美味しそうじゃないじゃない!そりゃあのセリフも吐くわな!」ーーー孫娘さん擁護論が優勢なんですけれど・・・

まって、まって!だってスターゲージーパイって決まったわけじゃないし、第一、物語ででてきた絵と全然違うじゃない!おばあさんのは心がこもっているし、こんなにグロくないし、もっと上品で可愛らしいパイだったじゃない!

そんなわけでこの暑い夏にひとり気を吐くkotorio。フランスに原作そっくりの本物の「ニシンのパイ」料理があるのでは?と、探し回りました。

f:id:kotorio:20160817042936p:plain リヨンの大御所ポール・ボキューズさん家では丸1匹のスズキを魚形パイで焼いた「スズキのパイ包み焼」がスペシャリテだけれどちょっと違うなぁ・・・。

f:id:kotorio:20160817043910p:plain フランス語で「魔女宅に出てくるパイのレシピ」とググってみると、いくつか出てきました。さすがジブリ、世界中にファンがいるんだなあ。ほらね、ほんとそっくり。グロくないでしょう?星、見上げてないでしょう(笑)

オーブンも電子レンジもキッチンも冷蔵庫もない生活をしている私だから、この素敵なおばあさんみたいに、孫娘にパイも、誰かを励ましてあげるためのケーキも作れないけれど。

想いを運ぶちいさな魔女が、ふと見上げた空の上に飛んでいたら、いつか手を振ってあげよう。