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Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 パリのよしなしごとを徒然なるままに

幸福の青いチョコレート「ケルノン ダルドワーズ」

f:id:kotorio:20170212154217p:plain インパクト大のブルーのチョコレート。ロワール地方アンジェの銘菓で、青色はアンジェの屋根瓦をイメージしているそう。

メーカー名の「Quernons」ケルノンは、ロワール地方のスレート屋根瓦の原料となる粘板岩のこと。ロワール河のお城の屋根にも使われています。瓦の形になる時には黒い色ですが、原料の岩は青に灰色がかったカラー。

斬新なチョコ、さぞ現代的ーーと思いきや、なんと1966年から独自のレシピを守り続け、国際菓子展で最高のブルーリボン賞を受賞した伝統商品!毎年ワインサロンにも必ず出品されるほどの実力と人気ぶり。パリではなかなか手に入らない。

今日は読者の皆様に感謝を込めて、バレンタイン番外企画「幸福の青いチョコ」誕生秘話をお届けします。

時は遡ることローマ時代。ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザ)から続くアンジェの街の歴史は古く、アンジェ城は9世紀に建てられたもの。そのアンジェに1950年創業のチョコレート屋さん「ラ・プティ・マルキーズ」がありました。

創業当時の売り上げは実はイマイチで・・・街の人からも相手にされなかった。創業者兼ショコラティエのRené Maillot ルネ・マイヨーさん、経営上苦悩の日々が続くのです。ああ、どうしよう、もうチョコ作りやめちゃおっかなぁ・・・
そんな時、マイヨーさんの目に飛び込んできたのが、アンジェの建物の上に並べられている青味がかった瓦。ここからの逸話はホントかウソか、マイヨーさんここぞと一念発起、従業員全員に休みを取らせ、店を閉めきって作り出した新作がこれーーー
アンジェの銘菓Quernon d'ardoise ケルノン・ダルドワーズ

f:id:kotorio:20170212162317p:plain「ただチョコを青くコーティングしたんじゃショコラティエの名が廃る!」とばかりのマイヨーさん、さすがに手が込んでいます。アーモンドとヘーゼルナッツをキャラメリゼさせヌガーのように柔らかくし、ホワイトチョコでコーティング。ナッツのサクサク感を残しました。まさにアンジェの青い瓦。瓦を焼くときに混ぜる石膏が青みを帯びる、そこからヒントを得たそうです。

ブルーリボン賞を受賞するや否やアンジェの人々は手のひらを返したように連日マイヨーさんのお店に詰めかけ「これはアンジェ銘菓になる」と絶賛。観光客からヨーロッパ中にまで知れ渡り、フランス銘菓になっちゃった。まさにどん底マイヨーさんのサクセスストーリー。それが幸福の青いチョコの呼び名の由来です。

今でも大量生産をすることなく、創業当時と変わらぬアンジェの小さなお店で作るのみ。小さな幸せが、一番なのかもしれませんね。

f:id:kotorio:20170212160838p:plain ところが!!フランス人もとりこの青チョコが、マカロンに!?なんと昨年、期間限定で、日本のショコラティエさんとのコラボが実現。アンジェで作られたミニサイズの青チョコを日本に空輸して、ひとつずつ青いマカロンに詰めたのだそう。

Artisan chocolatier : Achat - Vente chocolat, ballotin, confiserie : Chocolat quernon

Magasin La Petite Marquise
22 rue Lices 49100 ANGERS 02 41 87 43 01

《今日のひとこと》食べるより作るより(お菓子の)記事を書くのが一番幸せ♪な小鳥が1羽。この"kotori"、幸せのカケラを探して明日もちいさく羽ばたく。